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二子玉川ライズから環境を守る。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
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東京都の世田谷区民4名が2012年3月23日、世田谷区役所で板垣正幸・副区長や春日敏男・生活拠点整備担当部長ら区職員と二子玉川東地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)のビル風問題を協議した。

林田力も同席した協議では再開発によって生じた問題を直視するという世田谷区の姿勢の変化を実感した。これは大型開発の見直しを公約に掲げて2011年4月に当選した保坂展人区長就任による肯定的な変化である。一方で世田谷区自身の街づくりの問題として対応を求める区民らに対し、世田谷区は事業者(二子玉川東地区再開発組合)任せの姿勢が目立ち、区民との温度差も浮き彫りになった。

世田谷区玉川の二子玉川ライズでは2011年3月に二子玉川ライズ・ショッピングセンターが開業するなどしているが、高層ビルによる周辺住環境の悪化が問題になっている。二子玉川ライズから油の悪臭が出るという問題もある(区長宛て住民文書2011年12月1日)。

深刻な問題はビル風である。4月には女性がビル風に煽られて転倒し、骨折する事故が起きた(林田力「二子玉川再開発説明会で住民の懸念続出=東京・世田谷」PJニュース2011年5月16日)。2012年2月18日には男性がビル風で転倒し、頬や左手甲、左太ももを負傷した。

このままでは二子玉川ライズが世田谷区玉川を老若男女が住めない場所にしてしまいそうである。足尾銅山鉱毒事件の告発で知られる田中正造は「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」と言っている。二子玉川ライズは真の文明とは程遠い。

区民らはビル風の問題を中心に一年以上、世田谷区と協議を続けている。再開発組合は風対策として植栽の配置などをしているが、区民らは「こんな風対策では、時間と費用の無駄」として抜本的な対策を要求する(区長宛て住民文書2011年12月1日)。問題解決のために過去の風速データの開示と、常時歩行者に現在の風速を表示し、警告する指示記録計の設置などを求めている。

「風速を住民が見える様、風速の指示、そして記録を求め、また当然のこととして、音声での危険発信を求めました」(区長宛て「二子玉川第一期工事が及ぼす玉川1丁目多摩堤通り界隈のビル風について」2011年8月1日)

このうち、風速データの開示については12月にデータを保有する再開発組合が拒否したことを理由に世田谷区が断ってきた。それを受けて、今回の協議になった。

協議では世田谷区側は再開発組合が「訴訟の関係で差し控えたい」と拒否した理由を説明したが、区民側は再開発組合を言い訳に出すのではなく、世田谷区が測定することを求めた。これに対して事業者が第一義的には対応する問題とし、平行線となった。

このギャップはビル風の対策でも繰り返された。再開発組合の建設した高層ビルが住民被害の元凶である点は双方の共通認識である。このために世田谷区は再開発組合が対応する問題とし、自らは再開発組合を指導する立場と位置付ける。しかし、区民側は二子玉川ライズによって安心して生活できなくなった現状を区民の安全のために世田谷区が責任を持って対処することを求める。世田谷区の掲げる「安心安全の街づくり」が脅かされているためである。

このギャップは住民側と世田谷区長の両者の陳述を併記するという画期的な決着となった二子玉川再開発住民訴訟でも現れていた。住民側が再開発の問題について「世田谷区のまちづくりとして十分な対策を講ずる」ことを求めたのに対し、世田谷区長側の陳述は「事業者に求めてまいります」「事業者に実施させてまいります」と事業者に実施させることを念頭に置いていた(林田力「二子玉川再開発住民訴訟終結で公害行政から一歩踏み出した保坂世田谷区政」PJニュース2012年3月19日)。

再開発組合に対処させるという世田谷区の論理は責任追及論としては必ずしも誤りではない。再開発組合が再開発の利益だけを得て、害悪を世田谷区に尻拭いさせることはアンフェアである。それは再開発組合が本来負うべきコストを税金で肩代わりすることになる。植栽など現在行われている風対策について協議で区職員は「世田谷区は一円も負担していない」と胸を張ったが、原因企業に負担させる姿勢は区民らの論点とは乖離するが、評価できる。

しかし、世田谷区の論理は住民に対する責任という意識が抜けている。たとえばビル風によって二子玉川ライズに面する多摩堤通りの横断歩道の通過が困難になっている。区道管理者の世田谷区がビル風を起こした訳ではない。世田谷区にとっても二子玉川ライズのビル風は迷惑な話である。しかし、道路管理者として世田谷区は安全な道路を提供する義務がある。区の道路上でビル風が安全な通行を阻害しているならば対策を行う義務がある。その疑いがあるならば事故を防ぐために調査する義務がある。

また、再開発組合が二子玉川ライズによる住環境破壊の主犯であるとして、世田谷区は無関係な第三者ではない。むしろ従犯的な立場である。世田谷区は二子玉川ライズを推進し、莫大な補助金を投入している。世田谷区が都市計画を変更し、容積率を緩和したから高層ビルの建築が可能になった。建築規制によって守られていた住環境を破壊できるようにした存在は世田谷区であった。

加えて大きな問題は「事業者を指導する」という世田谷区の姿勢が言葉とは裏腹に風対策をやらない言い訳として使われているように区民らに受け止められていることである。区民らの文書には以下の表現がある。

「組合にワシヅカミにされているかのごとき世田谷区」(区長宛て「二子玉川第一期工事が及ぼす玉川1丁目多摩堤通り界隈のビル風について」2011年8月1日)

「行政側の姿勢が、住民のみの時と、再開発組合が参加した時と、姿勢が変わる。(中略)組合の主張をそのまま受け入れた姿勢になる」(区長宛て住民文書2011年12月1日)

原因が二子玉川ライズにあるとして再開発組合に対策させることは一案である。しかし、再開発組合に指導したが、断られたので何もできませんという言い訳を住民側に押しつけることは正当化できない。ところが、世田谷区側は再開発組合への指導に終始し、データの開示拒否など指導に応じない場合も、そのままにした。

しかも、住民側文書によると、2011年11月14日の区民、世田谷区、再開発組合の三者協議では世田谷区から「ビル風対策は、再開発組合の配慮によって、やっていただいているのだから、区としては、こうしろああしろとは言えない」との説明がなされたという(区長宛て「現状についてのご報告」2012年1月26日)。

一方で今回の協議では世田谷区にも僅かながら自らの問題として対処する姿勢が現れた。協議で世田谷区側はハンディタイプの風速計を2台購入したことを明らかにし、区民らと共に現地で風速を測定してデータを積み上げていく意向を示した。11月14日の協議では世田谷区側は区として風速計を購入することは考えていないと主張していた(区長宛て住民文書2011年12月1日)。

但し、世田谷区の購入した風速計は区民らが求める常時風速を記録し、付近を通行する歩行者に表示する指示記録計とは程遠い。区民への貸し出しをしない点も区民の要望を満たさない。板垣副区長は「歩みとしては遅いけれども、半歩でも踏み出したい」と区民らを満足させるレベルではないことを自覚しつつも、前向きな姿勢をアピールしていた。
http://www.hayariki.net/futako/120323wind.html
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