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二子玉川ライズから環境を守る。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
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二子玉川ライズ反対運動2012年十大ニュースを発表する。第一に二子玉川ライズ住民訴訟の実質的和解による終結である。都市計画を巡る住民訴訟が実質的和解で決着することは極めて異例である。

世田谷区は「再開発区域周辺の環境影響に対しましては、区としても環境に十分留意して、法令に基づく環境影響評価の手続きに則った適切な対応はもとより、きめ細やかな対応を事業者に求めてまいります」と法令以上の「きめ細やかな対応」を再開発組合に求めると陳述した。
http://www.hayariki.net/2/14.htm
第二に東急電鉄株主総会での二子玉川ライズ周辺住民と東急大井町線高架下住民の共闘である。6月28日に株主総会の会場となったBunkamuraオーチャードホール(東急文化村)の入口付近において共同で抗議のビラ配りを実施した。東急に苦しめられている住民が地域を越えて結束した。

第三に世田谷区と住民との協議である。住民有志との二子玉川ライズ風害対策協議では協議を繰り返す中で、ようやく世田谷区も多摩堤通り横断対策や風速の定点測定の検討に入った。二子玉川ライズでは高層ビルのビル風被害が深刻である。二子玉川東地区第一種市街地再開発組合のビル風被害対策は何ら確たる成果を生み出せてはいない。

また、地元アンケートに基づいて地元の問題を整理した90課題の解決のための取り組みを開始した。二子玉川ライズ2期事業への補助金は公共性を精査し、7億円削減した。

第四に二子玉川ライズ二期ビルへの楽天本社移転による公共性欠如の明白化である。楽天が二子玉川ライズ二期ビル(賃貸オフィス)27フロアに本社を移転する。再開発オフィスビルが丸ごと一企業の本社ビルになり、その建設費を税金で補助することの異常性が深まる。二子玉川ライズに公共性はない。

楽天の本社移転は二子玉川ライズの事業リスクを大きくする。賃貸オフィスは赤字覚悟で賃料を下げても、テナントが集まらない苦境にある。東京都心でさえ、多くのオフィスビルが頭を抱えている。電機メーカーの業績不振から日中・日韓関係の悪化まで日本経済に暗い影を落とす不安要素はいくつもある。楽天が建設中のオフィスビルを借りたことから、よほど楽天にとって好条件であったことは容易に予想できる。

その上、楽天のようにフットワークの軽い企業は数年後には本社を再度移転する可能性もある。楽天の現在の本社は楽天タワーと呼ばれるが、そこから移転することは土地建物への思い入れが少ない企業と言える。英語公用語化に見られるように世界を意識しており、海外への本社移転も考えられる。楽天が再移転すれば二子玉川ライズは膨大な空室を抱えることになる。

第五に世田谷区の利用者負担増大見直しへの反対表明である。世田谷区の「区民利用施設使用料の見直し」「認可保育園保育料の見直し」「区立幼稚園保育料の見直し」「新BOP学童クラブ利用料の導入」「高齢者紙おむつ支給・おむつ代助成事業の見直し」などへの反対意見提出を呼びかけた。

二子玉川ライズ二期事業(二子玉川東第二地区市街地再開発事業)など開発関連予算を廃止・削減すれば見直しは不要になると主張した。二子玉川ライズへの補助金などの開発予算が財政を圧迫し、福祉が切り捨てられている。二子玉川ライズ問題と福祉の問題をリンクさせた。

第六に東京都知事選挙への取り組みである。「人にやさしい街づくりをめざし、宇都宮さんを応援する会」や世田谷勝手連に集い、宇都宮けんじ候補を応援した。「人にやさしい東京をつくる会 政策集」には「都心部の大規模開発を抑制し、環境重視・生活重視のまちづくりを進めます」「住環境・日照の保全など住民の意向と周囲との調和を重視します」などの政策が掲げられた。

第七に二子玉川ライズ行政訴訟・東京地裁だまし討ち判決である。二子玉川ライズ行政訴訟は東京都世田谷区を中心とする住民らが二子玉川東第二地区市街地再開発組合設立認可の取り消しを求めて東京都を提訴した行政訴訟である。林田力も原告・控訴人の一人である。

東京地裁(川神裕裁判長)は判決言い渡し期日を三度も延期し、中間判決言い渡しと称しながら終局判決を言い渡した。内容面でも小田急判決に依拠すると称しながら独自の論理で原告適格を否定した。二子玉川ライズ行政訴訟は控訴され、控訴審で争われることになる。

第八にNPO法人区画整理・再開発対策全国会議の第45回区画整理・都市再開発対策全国集会への参加である。二子玉川ライズと同様に東急不動産が参加組合員となっている十条駅西口地区再開発事業反対運動などと交流した。

東京都北区上十条の十条駅西口地区第一種市街地再開発事業は低層部が商業施設の複合タワーマンションを建設する計画であるが、生活者の街を破壊すると批判されている。地権者の権利変換率は異常に低く、東急不動産らが地権者の犠牲の上に利益を得る再開発である。

第九に桃野よしふみ世田谷区議によるデジコン問題の住民訴訟提訴である。デジコン問題は二子玉川ライズを舞台とした補助金不祥事である。世田谷区がデジタル映像コンテンツ関連企業を二子玉川周辺に集積させようとして、NPO法人ディジタル・コンテンツ・インスティテュート(DCIn)に補助金を交付したが、その1カ月後に成果を出さぬままDCIn撤退により事業が中止された問題である。

第十に二子玉川ライズ問題の露出である。東京新聞は以下のようにビル風問題を報道した。「東京都世田谷区の東急二子玉川駅前に完成した再開発ビル前で、強風を受けた80代の女性が倒れて骨折するなど、過去1年間に少なくとも3人が重軽傷を負っていたことが、周辺住民への取材で分かった。」(山内悠記子「二子玉 「ビル風害」 住民が対策要望」東京新聞2012年7月1日)

岩見良太郎『場のまちづくりの理論 現代都市計画批判』でも二子玉川ライズの弊害が取り上げられた。「土地の高度利用の追究で、緑地・オープンスペースはきわめて貧困なものとなり、また、局地的にそれをおこなったため、周辺地域に機能障害・環境破壊をもたらすものとなっている」(144頁)。林田力『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』も刊行された。
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