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二子玉川ライズから環境を守る。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
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東京都墨田区の東京スカイツリーでは2012年5月22日の開業前から早くも大型開発で生じる問題が表面化している。これは東京都世田谷区の二子玉川ライズとも重なる問題である。東京スカイツリーも二子玉川ライズも周辺には住宅地が広がり、大型開発との矛盾は激化する。

第一に交通渋滞や違法駐車である。東京スカイツリー周辺には町工場も多く、交通渋滞は仕事の支障にもなりかねない(「「東京スカイツリー」、その経済効果と成功の鍵は?」月刊マガジン マネット2010年4月)。交通渋滞は大気汚染を悪化させ、周辺住民の健康も損なう。

大型開発による交通渋滞は4月13日に開業した「三井アウトレットパーク 木更津」でも問題視され、対策としてバス路線を充実させた。オープン日から東京、新宿、横浜、川崎の各駅から施設へ直行するバスを運行させている(山下奉仁「木更津に大型アウトレット、“最大のリスク”とは?」日経トレンディネット2012年4月13日)。

ここからも二子玉川ライズを運営する東急の金儲けだけで地域無視の体質が浮かび上がる。リスクの多様化・複雑化に伴い、問題点の早期発見と迅速な対応が開発プロジェクト成否の分岐点となりつつある。開発事業者は事前の想定領域を広げ、事態に直面した際に影響を緩和する工夫が不可欠である。二子玉川ライズが抱える問題点は明らかであるにもかかわらず、東急電鉄や東急不動産に問題意識は乏しい。

第二に治安の悪化である。スカイツリー周辺でも二子玉川ライズでも夜中に若者がたむろし、周辺住民の安眠を妨げている。二子玉川ライズでは非常識なヤンキー連中が交通広場で夜通しスケボーやローラースケートに興じている。京都府亀岡市や大阪府大阪市で無軌道な若者による暴走事故が相次いでおり、ヤンキーの徘徊に住民の不安は高まる。

第三に美観の悪化である。スカイツリー周辺では空き缶や弁当の容器などゴミが散乱する。二子玉川ライズ周辺ではファーストフード店の油の悪臭が滞留している。

これらの問題は大型開発による明らかな弊害である。ところが、ナイーブな大型開発礼賛論では、これらの問題が大型開発で解消されると喧伝されることが少なくない。道路の狭い木造密集地域を再開発することで、交通渋滞を解消し、明るい街にすると喧伝される。それが偽りであることは東京スカイツリーや二子玉川ライズの実例が示している。大型開発では道路や建物ばかりが立派になるが、コミュニティの生活も経済も衰退する一途である。

大型開発の弊害は地方自治体にも負担になる。大型開発が引き起こした治安や美観の悪化に対し、東京スカイツリーのある墨田区や二子玉川ライズのある世田谷区に苦情が寄せられている。このために墨田区では4月から1日3回夜間に警備員を巡回させている。また、清掃員を10人雇い、見物客が多い地域で毎日ゴミ拾いを実施する(黒田阿紗子「<スカイツリー>見物客のマナー違反が表面化…対策に本腰」毎日新聞2012年5月15日)。

これに対して、世田谷区は開発事業者(二子玉川東地区市街地再開発組合)に対策を実施させるという姿勢が強い。開発事業者の事業によって生じた問題を事業者に実施させることは筋論としては正しい。開発事業者が利益を得る一方で、自治体が尻拭いさせられることは不合理である。自治体の費用は住民の税金であり、開発事業者の利益を住民が尻拭いさせられることになる。大型開発は貧困者から搾取する貧困ビジネスと同じである。

一方で、それ故に自治体が何もしないならば責任放棄である。現実に住民が問題に直面しているならば、それに対応することが自治体の役目である。結局のところ、大型開発によって住民は踏んだり蹴ったりである。大型開発の中止・見直しが住民にとっての最適解になる。

電波塔としては世界一の高さ634mの東京スカイツリーは新たな観光地として地域の期待は高いが、かつての東京タワーのように「高度経済成長の夢をもう一度」という発想が時代遅れである(林田力「東京スカイツリー賞賛一辺倒の貧困」PJニュース2010年5月18日)。
http://hayariki.jakou.com/2/18.htm
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東京都世田谷区玉川の二子玉川ライズと熊本県宇城(うき)市三角の海のピラミッドは税金の無駄遣い、無駄な公共事業の典型である。二子玉川ライズも海のピラミッドも「コンクリートから人へ」に逆行するバブル経済、ハコモノ行政、土建政治の遺物である。

二子玉川ライズは緑豊かな風致地区の二子玉川に分譲マンション「二子玉川ライズ タワー&レジデンス」、商業施設「二子玉川ライズ ショッピングセンター」、賃貸事務所「二子玉川ライズ オフィス」などの高層ビルを建設する再開発である。「二子玉川ライズ オフィス」などのビル風で転倒者・負傷者が出るなど住環境を破壊するために住民反対運動が起きている(林田力『二子玉川ライズ反対運動』)。世田谷区のパブリックコメントでは二子玉川ライズへの世田谷区の補助に賛成意見は皆無である。

海のピラミッドは三角港のフェリーターミナルで、熊本県が所有し、宇城市が利用管理する。高さ25mの円錐形の巻貝のような形をしたユニークな外観であるが、居住性を無視した意匠先行の建物であり、使い勝手が悪い無用の建築である。三角形のデザインのために天井も無駄に高くなり、冷暖房効率も悪い。バブル経済期に適当に建築した感がプンプンする。設計者は葉祥栄(よう しょうえい)である。

二子玉川ライズも海のピラミッドも特定の民間企業・詩人が独占的な利益を得ている点で公共性に反する。二子玉川ライズは東急電鉄・東急不動産の開発事業である。分譲マンションも商業施設もオフィスも公共性とは無縁である。

海のピラミッドは私人の運営するクラブ「CLUB PYRAMID」に目的外使用されている。元々はフェリー待合所であった海のピラミッドであるが、2006年8月に三角島原フェリー航路が廃止されたために閉鎖された。

その後、2007年から「CLUB PYRAMID」に目的外使用されているが、2009年4月から三角港と本渡港を結ぶ定期航路「天草宝島ライン」が運行を開始した。JR九州が平成23年10月から熊本駅と三角港を結ぶ観光列車「A列車で行こう」の運行を開始したことから、定期船の利用者も増加し、利用者から海のピラミッドの開放が要望されている。

二子玉川ライズも海のピラミッドも共に行政との不透明な癒着が批判されている。二子玉川ライズの発端は東急電鉄と当時の世田谷区長の密約であった(林田力「二子玉川公金支出差止訴訟で住民側控訴(上)」PJニュース2010年6月7日)。この密約通りに都市計画が変更され、容積率緩和など東京電鉄・東急不動産に好都合な都市計画となった。海のピラミッドも阿曽田清・前市長から私人への依頼が発端である。

首長が変わっても問題を是正することの難しさも共通する。世田谷区は2011年4月に大型開発の見直しを公約に掲げる保坂展人氏が区長に当選した。二子玉川ライズ二期事業の補助金7億円は減額など一定の成果は見られるが、事業そのものの見直しには至らず、依然として36億円余もの補助金が予定されている。

宇城市でも2009年2月の選挙でハコモノ行政の見直しを訴える新人の篠崎鐵男氏が現職の阿曽田氏(公明推薦)を破って当選した。篠崎氏は公共施設建設を「税金の無駄遣い」と批判して支持を集めた。

宇城市は2005年1月15日に宇土郡三角町・不知火町と下益城郡松橋町・小川町・豊野町の5町が合併して誕生した市である。新市になってから庁舎新館など大型施設を建設するなど、突出したハコモノ行政が批判され、それが篠崎氏の勝因である。確定得票数は篠崎氏21857票、阿曽田氏16200票で、篠崎氏の圧勝である。

海のピラミッドについても篠崎市長の下で利用実態が精査された。その結果、「海のピラミッド」が地域活性化に貢献しておらず、「CLUB PYRAMID」による私物化の実態が明らかになった。「CLUB PYRAMID」の使用は土日が中心で、平日はほとんど利用していない。それにもかかわらず、DJブースなどの機材が常時置かれて占有されている。また、イベント準備作業と称して申請日時以外の使用も行われており、一般の利用を妨げている。無断での階段への蛍光塗料の塗装も発覚した。

これらの点について熊本県は港湾管理条例に違反すると判断し、港湾管理条例に基づく使用許可権限を委任する宇城市長に対し、地方自治法第252条の17の4の規定に基づき速やかに是正するように改善を通知した。

これらを踏まえて宇城市は海のピラミッドを公共性のある待合所に戻す方針を決定し、2011年11月に「CLUB PYRAMID」に年度末までの退去を求めた。ところが、「CLUB PYRAMID」側は退去を拒否する。数々の違反行為について「CLUB PYRAMID」側はイベント運営の必要性から正当化する。宇城市が行政代執行という強制手段を採らず、所有者である熊本県との直接の話し合いに委ねたことを「闘争勝利」「愛国無罪」と表現するなど異様さを示している。
http://www.hayariki.net/poli/piramid.html
二子玉川ライズの見直しも海のピラミッドの開放(CLUB PYRAMIDの目的外使用の廃止)も共に強い住民の要望である。住民の要望は一時的ではなく、恒久的なCLUB PYRAMIDの目的外使用の廃止である。行政には住民と向き合う姿勢が強く求められている。主権者は住民である。住民に最も近い存在である自治体ならば、住民の声に真剣であってほしい。
二子玉川ライズ住民訴訟報告・交流会が2012年4月7日、東京都世田谷区等々力の玉川区民会館で開催された。二子玉川ライズ住民訴訟に対して様々な思いが寄せられた。

原告の原動力は「東急電鉄や東急不動産の金儲けの開発に税金を出すことは不当」という思いである。

裁判の中で明らかになったことは数多く存在する。再開発地域は風致地区であり、都市計画公園予定地であった。ところが、世田谷区の助役と東急電鉄の密約(協定)によって都市計画が歪められた。この密約によって、密約で記された通りに再開発地域に超高層ビルが建設できるようになった。

二子玉がライズに対する補助金の杜撰も明らかになった。領収証なして補助金を交付している。

裁判では公共性も問題になった。二子玉川ライズは分譲マンション、賃貸オフィス、ショッピングセンターと公共性がない。これは素朴な思いであるが、裁判では専門家の意見書などで実証された。

二子玉川では二子玉川ライズ以外にも関連する開発問題が起きている。多摩川の暫定堤防によって、桜が咲いても散歩をしたくない河原になった。

二子玉川ライズに対する世田谷区の姿勢には変化が見られる。世田谷区の平成24年度予算では二子玉川ライズへの補助金を約7億円削除したという。区側からは「今後は補助金の出し方を慎重にしなければならない」との発言も出た。

世田谷区とは異なり、再開発組合や東急電鉄は依然として責任逃れの姿勢である。東急電鉄には二子玉川開発部という部署が玉川にあるが、住民と接点を持っていない。

二子玉川ライズのビル風で家が壊されかねない状態である。強風で階段のカバーが吹き飛ばされた。それでも再開発組合側は「建物が古いから、修理したらいいですよ」と他人事の反応であった。再開発組合は計画を行政が認可しているから、ビルを建てていると行政に責任転嫁している。

爆弾低気圧の日はビル風が強くなることが予想できたため、出かける人が少なかった。だから問題がないように聞こえるが、それは誤りである。

二子玉川ライズの交通広場で深夜にスケボーを行う非常識な連中がおり、騒音や治安面の不安など近所迷惑になっている。世田谷区が禁止のパネルを掲示した。ビル風で住民が迷惑を被っていることを認識しているために比較的迅速に対応した。

暫定堤防ができて、多摩川の水位が見えなくなった。水害の危険はないか。

二子玉川ライズ反対の住民運動のお陰で、住民本位の行政になった。公務員を勉強させないとダメである。世田谷区の職員が仕事をしやすい環境を住民運動が作っている。話をできる人を増やすことが運動の広がりになる。公務員をみたら敵と思えば正しくない。

本能寺は東急資本である。蒲田でも東急の問題がある。再開発でビル街にする。

二子玉川ライズ反対の動機として「富士山が見えなくなるのが嫌」という思いがあった。それに対して再開発組合から、「富士山が見たければ御殿場に行け」と暴言を返されたという。

二子玉川ライズによって周辺の地価も上昇し、住民にとっては固定資産税が増えるという損害がある。踏んだり蹴ったりである。二子玉川ライズの商店主が「これほど固定資産税が高いとは思わなかった」と嘆いている。二期工事が竣工すれば、もっと高くなる。

世田谷区の予算で二子玉川ライズ二期工事の補助金を削減した。オフィスの部分は公共性が低いという理由が説明されている。これは住民運動の大きな成果である。

村田義則・世田谷区議は補助金削減と情報公開について話をした。補助金削減額や理由が明確にされておらず、精査しているところである。補助金は「予算の範囲内で措置する」ものであるため、財政が厳しいから切ったとの説明が合理的である。または「公共性がない」とするならば全部否定することになる。オフィスの公共性が低い理由は住民が入らないからである。それならばマンションの共用部も一般住民が入れないから、補助金を付けるべきではない。

情報公開については、デジタルコンテンツは酷い。情報公開請求では出ない資料が検証委員会で出てきた。情報公開は条例に基づく制度であるが、行政の恣意的判断の範囲が広い。政策形成過程の資料と言えば出さなくて済む。文書を捨ててしまえば、情報公開の対象外になる。

保坂区政になって情報公開の姿勢に変化は見られるものの、区長の姿勢で左右されることは健全ではない。制度として確立することを目指すとする。

【二子玉川ライズ部署についての林田力コメント】東急電鉄の二子玉川ライズ関連部署には都市開発事業本部ビル事業部二子玉川開発部(友澤集・統括部長)と都市開発事業本部ビル事業部二子玉川ライズ運営部(秋山浄司・統括部長)がある(東京急行電鉄株式会社「人事異動に関するお知らせ」2012年3月28日)。

東急電鉄のウェブサイト「STRATEGIC FUTURE その先を創る。」には二子玉川ライズの担当者として、須貝愼太郎・都市生活創造本部ビル事業部二子玉川開発部施設設計担当兼二子玉川ライズ運営部企画担当が紹介されているが、そこには開発業務を通じて得たことは「鈍感力が増したこと」とする。確かに日常生活にも支障が出ている住民被害に鈍感でなければ二子玉川ライズの開発や運営を担当できないだろう。
http://hayariki.net/futako4.htm#15
二子玉川ライズによって生じた問題は東急電鉄・東急不動産の責任である。二子玉川ライズによって「皆が安心して暮らせない」状況が生まれてしまうと懸念している。十分な説明や議論もないまま二子玉川ライズが進められてはたまらない。二子玉川ライズの住環境被害に効果的な対策をとらなければ、世田谷区玉川の街づくりは更なる危機に陥りかねない。この機会を逃したら取り返しがつかなくなる。

二子玉川ライズは再開発組合が建設した建物であるが、実体は東急電鉄・東急不動産であり、事業の運営主体は東急電鉄・東急不動産である。再開発組合に言えという言い訳は成り立たない。二子玉川ライズの住環境被害について「自分達は、この問題の当事者ではなく関係がない」とでもいうような態度をとり続けている東急電鉄・東急不動産を許すことは絶対にできない。

二子玉川ライズでは特にビル風が大きな問題になっている。風向きや風速でビル風の被害状況が変わることは誰でも分かる。「一概に言えない」からこそ、細かなシミュレーションを行って、被害をなるべく小さくするように備えることが常識的な対応である。事故が起きた際に最も情報を持ち、また、真っ先に責任を問われるべきは事業者である東急電鉄・東急不動産である。

二子玉川ライズ・オフィスなどのビル風被害によって致命的な設計であったことがはっきりした。それ故に二子玉川ライズ二期事業は全体を抜本的に見直し、一から設計し直すべきである。検証不足のまま、二子玉川ライズ二期事業を進めれば、地元をはじめとした世田谷区民の理解は遠のくばかりである。

2011年夏の台風や2012年4月の爆弾低気圧など強風による異常気象がクローズアップされている。爆弾低気圧では死者や負傷者も大量に発生した。これらの強風を二子玉川ライズは考慮したものか。それとも想定外と言い訳するか。

二子玉川ライズ・オフィスによるビル風では植栽など一応の対策がなされているが、住は効果がないと指摘している。現状の実施策に効果があるならば説明すべき。根本的な対策を求める。

二子玉川ライズ・オークモールと東急大井町線の間の通路でもビル風の問題がある。ビル風の吹き抜ける谷間となっており、危険である。この問題を認識しているか。

二子玉川ライズ・タワーアンドレジデンス前の多摩堤通りでもビル風の問題がある。東急電鉄・東急不動産として対策をとる意思はあるか。マンション管理組合に要求しろという立場か。

二子玉川ライズの飲食店などでは油の悪臭の問題がある。ビル風と同じく通風を考慮していないのではないか。

二子玉川ライズの店舗構成も問題である。平日の昼間は閑散としており、休日もブラブラしている人は多いが、実際に購入する人は少ない。地元住民の需要を満たしているという意識はあるか。
http://hayariki.net/futako4.htm#16
二子玉川ライズ・オフィスは世田谷区デジコン詐欺の現場となった。デジコン詐欺では非営利法人に事業を遂行するだけの資金計画がないことが明らかになっている。そのような事業者にオフィスを貸したことに社会的責任を感じていないか。賃貸の審査はしていないのか。東急電鉄・東急不動産はデジコン事業に関わっていないか。デジコン詐欺とは無関係で、問題事業者に事務所を貸しただけの関係と言明できるか。
http://yaplog.jp/hayariki/archive/620

東急として住民への説明会を開催するか。住民に対する説明は大事だと考えないのか。説明をするか。きちんとした説明なしで二子玉川ライズ問題を放置することは愚策中の愚策である。東急電鉄・東急不動産は直ちに頑なな態度を改め、住民との協議のテーブルに着くべきである。東急電鉄・東急不動産の心から再考を要請する。
東京都の世田谷区民4名が2012年3月23日、世田谷区役所で板垣正幸・副区長や春日敏男・生活拠点整備担当部長ら区職員と二子玉川東地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)のビル風問題を協議した。

林田力も同席した協議では再開発によって生じた問題を直視するという世田谷区の姿勢の変化を実感した。これは大型開発の見直しを公約に掲げて2011年4月に当選した保坂展人区長就任による肯定的な変化である。一方で世田谷区自身の街づくりの問題として対応を求める区民らに対し、世田谷区は事業者(二子玉川東地区再開発組合)任せの姿勢が目立ち、区民との温度差も浮き彫りになった。

世田谷区玉川の二子玉川ライズでは2011年3月に二子玉川ライズ・ショッピングセンターが開業するなどしているが、高層ビルによる周辺住環境の悪化が問題になっている。二子玉川ライズから油の悪臭が出るという問題もある(区長宛て住民文書2011年12月1日)。

深刻な問題はビル風である。4月には女性がビル風に煽られて転倒し、骨折する事故が起きた(林田力「二子玉川再開発説明会で住民の懸念続出=東京・世田谷」PJニュース2011年5月16日)。2012年2月18日には男性がビル風で転倒し、頬や左手甲、左太ももを負傷した。

このままでは二子玉川ライズが世田谷区玉川を老若男女が住めない場所にしてしまいそうである。足尾銅山鉱毒事件の告発で知られる田中正造は「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」と言っている。二子玉川ライズは真の文明とは程遠い。

区民らはビル風の問題を中心に一年以上、世田谷区と協議を続けている。再開発組合は風対策として植栽の配置などをしているが、区民らは「こんな風対策では、時間と費用の無駄」として抜本的な対策を要求する(区長宛て住民文書2011年12月1日)。問題解決のために過去の風速データの開示と、常時歩行者に現在の風速を表示し、警告する指示記録計の設置などを求めている。

「風速を住民が見える様、風速の指示、そして記録を求め、また当然のこととして、音声での危険発信を求めました」(区長宛て「二子玉川第一期工事が及ぼす玉川1丁目多摩堤通り界隈のビル風について」2011年8月1日)

このうち、風速データの開示については12月にデータを保有する再開発組合が拒否したことを理由に世田谷区が断ってきた。それを受けて、今回の協議になった。

協議では世田谷区側は再開発組合が「訴訟の関係で差し控えたい」と拒否した理由を説明したが、区民側は再開発組合を言い訳に出すのではなく、世田谷区が測定することを求めた。これに対して事業者が第一義的には対応する問題とし、平行線となった。

このギャップはビル風の対策でも繰り返された。再開発組合の建設した高層ビルが住民被害の元凶である点は双方の共通認識である。このために世田谷区は再開発組合が対応する問題とし、自らは再開発組合を指導する立場と位置付ける。しかし、区民側は二子玉川ライズによって安心して生活できなくなった現状を区民の安全のために世田谷区が責任を持って対処することを求める。世田谷区の掲げる「安心安全の街づくり」が脅かされているためである。

このギャップは住民側と世田谷区長の両者の陳述を併記するという画期的な決着となった二子玉川再開発住民訴訟でも現れていた。住民側が再開発の問題について「世田谷区のまちづくりとして十分な対策を講ずる」ことを求めたのに対し、世田谷区長側の陳述は「事業者に求めてまいります」「事業者に実施させてまいります」と事業者に実施させることを念頭に置いていた(林田力「二子玉川再開発住民訴訟終結で公害行政から一歩踏み出した保坂世田谷区政」PJニュース2012年3月19日)。

再開発組合に対処させるという世田谷区の論理は責任追及論としては必ずしも誤りではない。再開発組合が再開発の利益だけを得て、害悪を世田谷区に尻拭いさせることはアンフェアである。それは再開発組合が本来負うべきコストを税金で肩代わりすることになる。植栽など現在行われている風対策について協議で区職員は「世田谷区は一円も負担していない」と胸を張ったが、原因企業に負担させる姿勢は区民らの論点とは乖離するが、評価できる。

しかし、世田谷区の論理は住民に対する責任という意識が抜けている。たとえばビル風によって二子玉川ライズに面する多摩堤通りの横断歩道の通過が困難になっている。区道管理者の世田谷区がビル風を起こした訳ではない。世田谷区にとっても二子玉川ライズのビル風は迷惑な話である。しかし、道路管理者として世田谷区は安全な道路を提供する義務がある。区の道路上でビル風が安全な通行を阻害しているならば対策を行う義務がある。その疑いがあるならば事故を防ぐために調査する義務がある。

また、再開発組合が二子玉川ライズによる住環境破壊の主犯であるとして、世田谷区は無関係な第三者ではない。むしろ従犯的な立場である。世田谷区は二子玉川ライズを推進し、莫大な補助金を投入している。世田谷区が都市計画を変更し、容積率を緩和したから高層ビルの建築が可能になった。建築規制によって守られていた住環境を破壊できるようにした存在は世田谷区であった。

加えて大きな問題は「事業者を指導する」という世田谷区の姿勢が言葉とは裏腹に風対策をやらない言い訳として使われているように区民らに受け止められていることである。区民らの文書には以下の表現がある。

「組合にワシヅカミにされているかのごとき世田谷区」(区長宛て「二子玉川第一期工事が及ぼす玉川1丁目多摩堤通り界隈のビル風について」2011年8月1日)

「行政側の姿勢が、住民のみの時と、再開発組合が参加した時と、姿勢が変わる。(中略)組合の主張をそのまま受け入れた姿勢になる」(区長宛て住民文書2011年12月1日)

原因が二子玉川ライズにあるとして再開発組合に対策させることは一案である。しかし、再開発組合に指導したが、断られたので何もできませんという言い訳を住民側に押しつけることは正当化できない。ところが、世田谷区側は再開発組合への指導に終始し、データの開示拒否など指導に応じない場合も、そのままにした。

しかも、住民側文書によると、2011年11月14日の区民、世田谷区、再開発組合の三者協議では世田谷区から「ビル風対策は、再開発組合の配慮によって、やっていただいているのだから、区としては、こうしろああしろとは言えない」との説明がなされたという(区長宛て「現状についてのご報告」2012年1月26日)。

一方で今回の協議では世田谷区にも僅かながら自らの問題として対処する姿勢が現れた。協議で世田谷区側はハンディタイプの風速計を2台購入したことを明らかにし、区民らと共に現地で風速を測定してデータを積み上げていく意向を示した。11月14日の協議では世田谷区側は区として風速計を購入することは考えていないと主張していた(区長宛て住民文書2011年12月1日)。

但し、世田谷区の購入した風速計は区民らが求める常時風速を記録し、付近を通行する歩行者に表示する指示記録計とは程遠い。区民への貸し出しをしない点も区民の要望を満たさない。板垣副区長は「歩みとしては遅いけれども、半歩でも踏み出したい」と区民らを満足させるレベルではないことを自覚しつつも、前向きな姿勢をアピールしていた。
http://www.hayariki.net/futako/120323wind.html
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